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FAQ

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解析手法について

Q1:なぜ差分法か?

多相流体系を対象とする場合,各流体相の質量保存式を完全に満足することが重要です.有限要素法(FEM)が対象領域全体で重み付き残差をゼロに近づけるよう解かれるため、1つ1つの要素の流体相毎の質量保存を完全に保証することが困難であるのに対し,積分型有限差分法(IFDM)を採用するGETFLOWSでは1つ1つの計算格子の各流体相について,その「入(inflow)」と「出(outflow)」および貯留量変化から求められる質量収支を完全に保存させながら,系全体の残差をゼロに近づけるよう数値的に解くことを可能としてます.これは石油工学の分野でも歴史的に使われてきており,数値的精度,数値解の安定性・ロバストさ等の面でも多くの実績を有しています.

Q2:コーナーポイント型差分格子って?

一般的な差分格子は,碁盤の目のように定間隔の規則的な配置の形状を指します.「コーナーポイント」とは,1つ1つの3次元格子(6面体)を構成する8つの頂点のことを言います.この頂点の3次元座標X,Y,Zの値を任意に設定することができ,ゆがんだ形状の格子分割を可能とします.これをコーナーポイント型差分格子と呼んでいます.

Q3:空気相の考慮は必要?

飽和流れや一般的な浸透流解析を行う範囲では,さほど重要でない場合があると思われます.しかし,GETFLOWSでは地圏流体挙動の表現をできる限り自然に行う観点から,地下地盤内における水・空気の置換プロセスを詳細に表現する手法を採用しています.地盤中への圧入空気の移動や気圧変化に対する間隙圧応答をシミュレーションする場合は空気相の考慮は必須になります.

Q4:ソルバーの数値的安定性は?

GETFLOWSでは前処理付き共役残差法(PCR)というソルバーを採用しています.Nested Factorizationと呼ばれる前処理と逐次陽化法の採用によって,計算速度,数値的安定性の面で実用レベルの高性能計算を可能とします.

実フィールドのモデル化について

Q1:モデル化範囲の決め方は?

対象地から適切な距離をおき,分水嶺,河川,難透水地盤等の地圏流体の出入りが無いと考えても良い領域までをモデル化範囲に含みます.領域側方は閉境界として扱います.信頼できるフィールドデータがある場合のみ,圧力固定や流量規定などの境界条件を適用します.多くは,固定的な境界条件の設定自体が悪影響を与えないよう広い範囲をモデル化します.

Q2:調査データのない範囲をモデル化して意味がある?

地形,土地利用,水文データなどは公開データから入手可能です.問題は見えない地下の地質情報です.調査ボーリングの無い場所では,細かい地質構造の推定は困難にしても,ある程度の大まかな地質構造であれば,堆積学や古環境学に基づいて推定可能です.重要な点は,その推定でシミュレーションを行った結果と計測データの違いから,新たな推定を行い,モデルが持続的に成長できるようモデルとフィールド間で相互にフィードバックを行うことと考えます.

Q3:三次元モデルはどうやって作成するか?

まず,地形起伏や河川,表層地質分布などを考慮して平面格子系を作成します.土地利用などの情報も平面格子系に与えます.これを深さ方向に引き伸ばし,地層境界面や地下構造物の位置を考慮して格子分割します.現行のGETFLOWSでは,任意の深度断面における平面格子の分割は表層と同一でなければなりません.

Q4:断層はどうやってモデル化?

断層の水理性状によって異なる場合がありますが,深さ方向に階段状となった格子列として表現します.断層周辺の破砕帯や内部充填鉱物の考慮も可能です.断層内の流れを表現しない場合は,特定の格子面に対して浸透率や空隙率などの諸物性を与えます.

Q5:対象スケール(時間・空間)は?

数値シミュレーション上は時間的・空間的スケールや解像度の制約はありません.空間的には,数mmスケールの室内試験系から数1,000km超スケールの大循環系,時間的には秒単位から数1,000年超単位のいずれもモデリングが可能です.

解析機能について

Q1:プリプロセッサーは利用できる?

Windows環境では入力データ作成支援ツールをご用意しております.専用のインターフェイスを用いてGETFLOWSの実行に必要な入力データを効率的に作成することができます.ポストプロセッサーは主に市販のGISや3次元可視化ソフトウェアで行います.ArcGIS,MapInfo,MicroAVSやTECPLOTなどは,GETFLOWSの標準出力データからのフォーマット変換ツールをご用意しております.

Q2:気象流体の解析はできるのか?

大気中を高速移動する流体挙動は解析できません.将来的には,MM5等に代表されるメソスケール数値気候モデルや他のスケールの数値モデルとの結合により,気圏・地圏統合解析を行うことが考えられます.

Q3:独自の個別モデルを組み込むことができるか?

可能です.お客様独自に開発作成された個別モデルをGETFLOWSに組み込み,コンパイルすることができます.これまでに,蒸発散,融雪,化学種吸着,かんがい・施肥に関する個別モデルの組み込み事例があります.

解析上の留意点について

Q1:GETFLOWSを用いる際に最も留意しなければならない点は?

最も重要な点は,作製した数値モデルが入力データへ正しく反映され,計算がきちんと行われていることを確認することです.不自然なモデル化や単純なデータの誤入力は,数値的な不安定さを増長させたり,解釈困難な結果が得られることがあります.特に,「不自然なモデル化」は,実際に計算を行ってからはじめて気づくことが少なくありません.大規模かつ複雑な3次元モデルを扱う場合,構築した入力データ自体の確認が容易ではありませんが,グラフィックソフト等を用いて図化表示を行いながら十分にチェックすることが重要です.

Q2:不自然なモデル化とは?それを見つける方法は?

不自然なモデル化とは,物理的にありえない流体・物質移動の表現全般を示します.例えば非常に透水性の小さい帯水層から短時間に大量の揚水を行う場合などがその代表例です.こういったモデル化では,時間刻み幅が大きくならなかったり,ソルバーやニュートンループの反復計算の収斂が極端に困難な状況になるため,比較的容易に判別できます.

計算時間について

Q1:計算時間はどれくらい要する?

計算に必要な時間は、モデルの規模、対象とする流体系、物性値、外力条件によって異なりますが、一定条件の外力を与えた領域初期化を行った場合の目安は次のとおりです。

計算格子数 流体相、成分 自由度数 計算時間 並列化の要否
~10万 2相2成分 ~20万 数分~数時間  
~10万 2相4成分 ~40万 数時間~12h  
~10万 3相5成分 ~50万 数時間~24h  
10~30万 2相2成分 20~60万 数時間~24h  
30~80万 2相2成分 60~160万 24h~3d  
100~200万 2相2成分 200~400万 24h~5d 必須
200~300万 2相2成分 400~600万 5d~7d 必須
300~500万 2相2成分 600~1,000万 7d~10d 必須
500万~ 2相3成分 1,500万~ 7d~ 必須

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